◆人事異動 今度は商経学科長として,ひきつづき管理職をつとめる。 辞令交付式は単なるセレモニーだから休んでもよかったが 学長も替わったので,これも人づきあいと思って出席。
◆寝不足 インドネシア人の知人が鹿児島にやってくる。 大阪発の高速バスは早朝7時半に到着予定なので 十分睡眠をとれぬまま6時前に起床した。 目覚ましを持たないから二度寝をして寝過ごすわけにゆかぬ。 おかげで出迎えは首尾良くいったが その後は終日うつらうつら。
◆無用の長物 引っ越しに伴い,古い家具があちこちで「処分」されている。 捨てる人・拾う人が数珠つなぎ(あるいは玉突き現象)。 ぼくはその末端にいて,ソファとテレビ台をもらう。 ソファは一人用だからまだいいが テレビ台は異様に長くて,どこにも置くところがない。 もっと小振りなものを想像して,引き取りを承諾したのだが 処分に困る立場まで引き取ったわけだ。
◆懲戒免職 鹿児島国際大学で,ものすごいことが起きている。 経営者側(学長を含む)の意に添わぬ教授3名が解雇された。 あまり問題になりそうにないことが解雇理由になっており ほとんど狂気の沙汰のように見える。 解雇された人も解雇した学長も,経済学史学会会員なので 狂気の度合いはさらに増す。 大学でも,いよいよ強者の論理が横行する時代になったのか。
◆分別回収 ゴミの区分がかなり細かくなったため つい出し忘れることが多い。 出そうと思うと回収日は昨日だった,なんてことがよくある。 とうとう瓶やカンが台所にあふれ始めたので 金曜の指定を今日は逃さず,捨てに行く。
◆サーバの設置場所移動 商経学科のサーバマシンを入れ替えた。 といっても,同じくらい古い機種(Power Mac 7600/120)だが 内蔵ハードディスクから異音が出ない分だけまし。 ついでに,隣接のデータベース用マシンともども置く場所を変える。 すべてのマシンをロッカーの上に置き,空間を拡げた。 土曜日の職場,一人黙々と重たいモニターなどを持ち上げる。 地震が起きたらヤバイけど,これで当面の問題は解決。
◆アメリ 昨年フランスで大評判の映画が鹿児島の映画館にも来た。 ほとんど前知識なしに観たが,しみじみとしてしまった。 仏映画「デリカテッセン」に似ていると思ったら同じ監督だった。 いずれもぼくの好みです。(いうのも恥ずかしいけど) ネット上では賛否両論が激突しているみたいだね。
◆入学式 商経学科の新入生はみな賢そうな顔をしてる。 今年は当たり……なんて書くと在学生は怒るかもしれない。 今日,ある2年生から「先生のページ見てます」と言われた。 これも意外だった,と思うのも問題か?
◆合宿 新入生歓迎の「合宿」を行う大学は多い。 しかし,たいていはホテルなどを使っている。 その点,商経学科はすごいぞ。 小学生などを対象とした教育施設(自然の家とか)を利用するのだ。 このビンボー臭さも慣れるとけっこう味わいだぜ。 くさやの干物のように……(といっても食べたことないけど)。
◆朝礼 きりしま自然ふれあいセンターでの合宿を終えた。 ここは予想以上に使い勝手が悪くなっていた。 3年前は利用者を大人扱いし,気持ちよかったのに 今年は大学生をまるで小学生扱い。 指導員がみな小中学校教諭からの異動組なので つい余計な「指導」をしたがるみたいだ。 「この線に沿って整列!」とか号令をかけたがる。 ぼくが「仕切るのはこちらにまかせてほしい」というと 彼らの怒りを買い,毛布の整頓のやり直しを命じられたりした。 たたんだ毛布の角がそろっていない,というのだ。 ああいう教員たちを見ると,鹿児島の教育に寒さを覚える。 命令に黙って従うことの強制を鹿児島では教育と称する。
◆授業開始 木曜日は朝から夜まで3コマの授業がある。 今日は初日ゆえ,けっこう疲れたよ。
◆おしごと 意外にも同僚たちはみんな仕事をしたがっている。 疲れることはしたくない,と連中は一様にいうはずだったが なぜか嬉々として校務に取り組んでいる。 新学期早々の瞬間風速にすぎないのかな?
◆マック賛 夜間部の学生に学科の電子掲示板を利用させたくて 彼らがたむろする玄関ロビーにパソコン2台を置いた。 Windows機とマックだが,いずれも5年以上前の旧型。 土曜の午後,ひとり黙々と設置作業にとりくむ。 田舎の小学校長が休日の校庭で花壇づくりに励むのと同じ図柄。 さて,設置した機械を立ち上げ,学科のHomePageを眺めると やはりマックの方が見栄えがよい。 Windows機のフォントや行間隔は何だか汚い。 見慣れてしまえば平気との説もあろうが そういう人とはあまり友だちになりたくない。 チャールズ・ブコウスキーの『死をポケットに入れて』でも この作家がマック愛用者だとわかり,いい気分になる。
◆ウンコ いま佐賀大学にいる元同僚は怪しいやつだった。 論文を書いているときが一番楽しいというのである。 ぼくの院生時代の指導教員によれば,論文執筆は排泄行為だ。 たしかにウンコするのは楽しいともいえるが それを他人に見せようとするのは変態行為に近い。 やはりもっぱら本を読んだり調べものをして楽しみたい。 本を読むと,自分の言いたいことは古人がすでに語っている。 論文執筆は「仕事」ゆえ,いやいや取り組まざるをえないが ウンコと同様,人目を避けて密かにすませるべきもの。 ただ,最近はぼくもだんだん「怪しいやつ」になりつつある。
◆困ったときの友になりたい 鹿児島国際大を解雇された3教授の支援活動に ぼくも参加しようと思う。 管理職なので自重すべきかとも思われたが 国際大の理事会の仕打ちが理不尽すぎることと 国際大にいるぼくの友人も首になりそうな気配ゆえ 理においても情においても座視できない。 「改革」を進めたい理事会にとって経済学部の抵抗は たしかに不愉快きわまりないかもしれないが だからといって学部長その他を解雇するのは蛮行。 こんな手口が許されるなら,大学の教員は自由に発言できなくなる。
◆奥歯のブリッジ 9日の新入生歓迎合宿のときブリッジがはずれた。 先月19日にはずれたのは右の奥歯で,今度は左。 このブリッジはヒビ割れてもいたので新しく作り直し 本日装着。治療費5070円也。
◆就眠儀式 枕元に本が積んである。 しかし,寝ながら本を読む習慣はなくなった。 横になれば眠ってしまうからだ。 健康的ともいえるが老化したともいえる。
◆教科書 新入生は例年この時期たくさんの教科書を買わされる。 けっこうな額になる。 買わせる方(教員)はよほど教育効果に自信があるのだろう。 ぼくは自信がないので最近は教科書を使わない。 わが娘と同様,本を読むのが好きじゃない学生も多いのだ。 そういう連中に無理に本を買わせたくない。 文字情報ならWeb経由で得させる方が教育的とも思われる。 と思いつつも,今年のゼミではテキストを使うことにした。 ただテキスト代金は教員が負担したい。 夏,商工会連合会から頼まれて行う調査活動の謝金で この代金をカバーしようという考え。 調査にはゼミ学生を使うし,テキストも調査に関連するので 自分としては円環の閉じたグーなアイデア。
◆学科の教員会議 学科の基本方針は「みなノリノリで行こうぜ」だ。 教育も研究も楽しく盛り上げたい。 でもまだ,疲れることはしたくない,って顔もチラホラ。
◆コンパ 夕方から1年生基礎ゼミの連中とお食事会。 西鹿児島駅近くの「韓国家庭料理ソウル」では 死ぬほどたらふく飲み食いしても一人2千円を超えない。 2千円を超えなければ飲食代は教員が払うことになっている。 一同黙々と飲食し,ほとんど盛り上がらぬまま8時にお勘定。 「次は近くのファミレスでデザートだ」と提案したら 学生たちから「今日はもういいです」とクールな答え。 一人自転車にのって夜道を帰る。
◆静思? 学生自治会主催の新入生歓迎合宿に参加した。 南薩少年自然の家(金峰町)だ。 鹿児島には大学生向きのセミナーハウス(宿泊施設)がない。 したがって,どうしても子ども扱いされてしまう。 就床前に「静かにものを考えなさい」と放送で指示。 静思と称するが,いかにもマニュアルどおりの指導。 「これまでお父さんお母さんに何をしてもらいましたか」とか 与えるテーマも,いかにも児童向け。
◆カヌー 合宿二日目の朝,カヌーに乗る。 一人乗りかと思ったら9人乗りで,でかい。 昔,大学1年の夏,体育の授業でボートに乗ったことを思い出す。 ボート部の部室に泊まり込みで,死ぬほど苦しかった。 あれに比べれば,ただプカプカ浮いてるだけの水遊び。
◆台南食堂 うちの近所の台湾料理店は店名を変えて存続。 前の経営者はピストルで撃たれたとかの噂。 そういう意味でも何だか怪しい店だが 再開記念にフカヒレスープがサービスされるので いってみると料理は前よりも美味になっていた。
◆意見広告 鹿児島国際大を解雇された3教授を支援する全国連絡会が 近日中に南日本新聞に意見広告を出すという。 ぼくも名を連ねることにした。 解雇した側(理事会)には伊東光晴がいる。 「岩波文化人」伊東光晴の開明的なイメージは幻想だったのか! (リンクページで「全国連絡会」のサイトを紹介)
◆忙しいとは言いたくない ほんとは忙しいんですけどね。 でも,仕事は自分で好んで請け負ったものだし 忙しいとぼやいても誰も同情してくれまい。 アヒルはゆったり泳いでいるように見えて その水かきは水面下で忙しく動いている。 そういう風に見かけ上は余裕をかまそう。 と,舞台裏を語るのも小者のしるし。
◆マイレージの特典利用 数年がかりでANAにもマイレージが貯まったので 月末,福岡に行ったついでに福岡→東京の便に乗りたい。 ところが調べてみるとANAの便は満席ばかり。 一方,JASの福岡→東京は空席だらけ。 しかたなくJASで上京することにした。 ANAのジャンボ機の方が乗り心地がいいんだけどな。
◆日産工場見学 福岡県北部にある日産の九州工場を見学した。 商経学科と生活科学科の5ゼミ合同の旅。 県庁のバス2台を連ねて,高速道路を走る。 工場のあとは門司のレトロな建物を見に行く。 いま門司へ向かう車中でこれを書いている。 夜は「飲み会」なので書く時間がなさそうだから。
◆文化三昧 二日目はまず福岡市博物館から。 学生たちは昼からの自由行動=お買い物が楽しみ。 ぼくは福岡ドームの内部ツアーグループに参加。 そしてその後は連れもなく一人ぼっちになる。 KBCシネマで中国映画『活きる』を観て大泣きし 夜7時から西鉄ホールで4人芝居「100」を観劇。 福田転球をリーダーとする転球劇場という集団。 不条理劇というより単なるお笑いに近いが 多くの若い女性客は意味もわからぬまま大笑いしていた。 芝居のあと有名ラーメン店「一蘭」に向かったぼくもミーハー。
◆上京 福岡3日目はアジア美術館。 察するに、ここにはきっと優秀な学芸員がいる。 午後、学生たちは鹿児島に帰り、ぼくは上京。 帰宅途中、古本屋に寄り美術関係の本を眺める。 午前中の気分をひきずっていたからだ。 買いたい本を見つけたが、目を離したすきに横取りされる。
◆『ザ・フェミニズム』 上野千鶴子と小倉千加子の対談(筑摩書房、02年3月)。 フェミニズム関係の本から最近は遠ざかっていたので なんだかひどくなつかしい気分になる。 7年ほど前、ジェンダー論をやりたがる男が同僚となり 以後そちら方面はそいつにまかせることにしたのだ。 久しぶりに読んでみると、この分野も様子が変わっていた。 対談のなかみには「オイオイ」と言いたくなる部分もあるが 読者の反発を誘う点こそこの本の狙いか? ともかく知の触媒的な効果はあった。
◆ぼけの進行 バーサンは食事を済ませたことも忘れるようになった。 朝食後まもないのに「朝ご飯まだ?」という。 また自分自身の息子も認識できなくなった。 彼女の息子はいま閑職ゆえフラフラ遊びに来たが バーサンは誰が来たのか、よくわからずにいる。 「来た人は誰?」と尋ねると「私のお兄さん」だと。 そして、このごろはあちこちに唾を吐きまくる。 唾を飲み込めなくなったからか。
◆単位互換? バーサンはデイケアセンター、ほかの者は学校に行ってて ぼく一人コタツで昼寝。 奥さんは社会人入学した大学院生だが 津田塾のほかに夜は青学でも受講する。 (だから今日の夕食づくりはぼくが担当)。 息子も早稲田・慶應・学習院などを受講して回る。 東京では大学間の授業交流がほんとに盛んのようだ。
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