2010年
 つぶやき

1/1
◆哲学カフェ
 数年前から,そういう遊び場のことを考えている。
 くだらないことを小難しげに(つまり ふざけて)語り合う場だ。
 ぼくが過ごした学生寮や院生寮のような雰囲気を再現したい。
 そして,みんなで仲良くケンカしたい。
 本場フランスの哲学カフェは見たことないが
 さぞかし楽しかろうと思われる。

1/2
◆天国? 地獄?
 カラオケの「道場」に通う男から話を聞く。
 お師匠さんが妙齢の美人っていうのもいいが
 他の弟子たち(バーサンたち)とすぐ懇意になれるのもいい。
 入れ食い(昔の言葉でいうウハウハ)の状態らしい。
 ただ,男は前立腺に病を抱えている。
 モノが役に立たないのだと嘆く。

1/3
◆フガフガ
 餅を食ってたら奥歯のブリッジが取れました。
 鹿児島に戻るまで数日このままで過ごす。

1/4
◆詩心
 まど・みちおが百歳を超えたとテレビで知る。
 この詩人は自らを「ふしぎがり」と称し
 身辺の細事を宇宙規模に歌い上げる。
 ぼくの好きな「のはらうた」の工藤直子もそうだが
 ああいう眼差しや魂を持てば老後も毎日が楽しかろう。

1/5
◆単眼鏡
 美術館で鑑賞するとき使うと「プロ」っぽいぞ。
 と,単なる見栄で買いました。
 1万円前後の予算でビックカメラに行き
 けっきょく,やはり 1980円の特価品を買う。

1/6
◆ホームレス・ルック
 うぐいす色の,安っぽい化繊のオーバーコートを持っている。
 まだ一度も着て外出したことがない。
 20年ほど前,フランスで出会ったギリシア人の青年は
 毎日こういう色のコートを着ていた。
 その貧乏臭さに「しびれ」,いつかマネしようと思った。
 オシャレというより「シャレ」で着たかった。
 けっきょく着ないままでいるのは「シャレ」にならないから。
 とくに今のぼくにはベタに近いほど似合いそう。

1/7
◆至福
 とんかつを無性に食いたくなり,有名店に行く。
 しかも,並 800円でなく,上 1000円を注文。
 正月ゆえの「非日常」を楽しんだ。
 レジで代金を払ったら,クジを引かされた。
 メンチカツ定食のお食事券が当たる。
 生きててよかった,と思う。(安い人間!)
 この気分を英語では On cloud nine というらしい。

1/8
◆楽器
 同僚教員が学内でチェロの練習をしている。
 音を出しても大丈夫な場所が学内にはあるからだ。
 うむ,楽器も老後を楽しむ道具になるなあ。
 ぼくの場合はギターだ。(学生時代いちおうギター部だぜ)
 ただ,左手中指の「バネ指」が最近ますますひどくなり
 指を伸ばすのに,ときどき右手の助けが要る。

1/9
◆宿替えの夢
 ポストに入っていた不動産情報誌を眺める。
 集団清掃やゴミ当番のない暮らしがしたくなった。
 地域で平穏に暮らすにはそうしたコストもかかるが
 ここ数年の実体験では,単に面倒なだけ。
 オンボロな一軒家での隠遁生活も悪くないと思う。

1/10
◆重曹
 壁の油汚れを落とすのに使うとテレビで言ってた。
 懐かしいな,重曹。
 昔,父親が胃酸過多のときに飲んでたし
 夏みかんにかけると酸味が和らぐ。
 もう,そういう用途には使わないが
 台所の清掃用に買おうかな。(と一瞬,心が動く)

1/11
◆ミニシアター
 旧・鹿児島三越のビルの再開発が進んでいる。
 大型書店ジュンク堂などが入る。
 小さな多目的ホールも作られるらしい。
 地域の文化活動を支援したいと,ビルの所有者はいう。
 鹿児島コミュニティシネマの世話人グループは
 所有者との面談の後,ヘルメットをかぶって現場に入る。
 ぼくも末端に連なり,社会科見学を楽しむ。

1/12
◆冬ごもり
 鉄筋住宅ゆえ暖房の効きが良い。
 灯油ストーブの熱風が足に吹き付ける。
 上品な方々なら「ほの温かさ」を良しとするだろうが
 ぼくはこういう「直火にあたる」感じが好き。

1/13
◆魚の皮
 ブリの照り焼き定食を食べた。
 周りのオジサンたちは魚の皮まで食べてる。
 ぼくにはそれができない。
 目刺しは大丈夫でも鮭はダメ。
 皮膚のピカピカがダメなので,昔は魚全体がダメだった。

1/14
◆自堕落
 大学改革のいろんな企ても,すでに「制度化」した。
 「志」は消え,「心」もこもらぬ。
 授業改善のための相互参観も形ばかり。
 テキトーにやっても恥を覚えぬ私。

1/15
◆ハングル
 2月末に学生たちと韓国に行く予定だ。
 ぼくは引率者でもガイドでもないのだが
 三日間の自由行動で,学生たちに付きまとわれるかもしれない。
 ぼくは「いかにも経験者」という役割を演じなければならない。
 もう何度目だろうか,韓国語のイロハから独習開始。

1/16
◆アンドレ・プレビン
 80代の今と,40代の頃の演奏をテレビでやってる。
 ぼくは素人だから平気でいうが,やっぱり深みがないぞ。
 昔,彼のジャズ・ピアノのレコードを買い
 「頭良さげで,すかしてる」という印象だったからなあ。
 異論は認める。

1/17
◆入試
 センター試験の仕事で鹿児島大学へ出向く。
 多くの受験生が時間ギリギリまで参考書を眺めている。
 それは昔のぼくの姿と重なる。
 上京して,試験場に行って,びっくりした。
 スポーツ新聞なんか眺めている受験生がいたからだ。
 あれは単に余裕をかましているだけ,と今ならわかるが
 田舎者のぼくは素直に恥じ入り,参考書を開けず。

1/18
◆決まり文句
 ミスが許されない作業の前に訓辞があった。
 「ミスがないよう注意して」というもの。
 こういう場面で必ず発すべき言葉らしい。
 ぼくなどは,聞いていてムズムズしちゃうが
 定型のセリフを聞かないと落ち着かない人もいるようだ。

1/19
◆忘恩
 大学卒業のためには一定の「単位」取得が必要だ。
 いわゆる学園闘争の時代は,授業に出ずに単位がもらえた。
 すご〜くいい加減だったおかげで,ぼくは卒業できた。
 教員になると,申し訳ないが,いい加減にはできない。
 学生に「ご恩返し」ができず,いささか心苦しい。

1/20
◆郷愁
 大根おろしを作りながら,母を思い出す。
 子どもの頃,ぼくが「へそ」を曲げていると
 「ちょうどよかった」と,大根おろしを作らされた。
 怒りながらやれば余計に辛くできるからだそうだ。
 そういえば,昔の大根おろしは辛かったなあ。

1/21
◆一字違い
 学生との海外旅行の航空運賃はぼくが立て替えた。
 HISでオンライン予約し,カードで一括払いした。
 氏名の入力は正確にしなきゃいけない。
 なのに,一文字 間違った。
 瀬崎は「せざき」じゃなく「せさき」だった。
 入力時,まだパスポートを持たない学生に
 「普通の読み方?」と尋ねると「そうです」と言うんだもの。
 変更は,予約取消→再予約の形をとるしかない。
 この取消料が1万2千円。(航空会社8千円+代理店4千円)
 ぼくが払うしかないみたい。

[後記]再予約はけっこう高くついた。
 鹿児島発はチケットがとれず,学生一名は福岡発。
 しかも,福岡発のチケットはなぜか割高。
 かつ,福岡発は朝の便なので,博多で一泊が必要。
 高速バス代とホテル代が余分にかかる。


1/22
◆大食漢
 夜間部のゼミの学生たちと焼肉屋に行く。
 卒論完成を祝うお食事会である。
 ライスお代わり自由というんで
 4杯もお代わりした男子学生がいる。
 その食いっぷりに ちょっと感動。
 人と語らいながらの食事も久しぶり。(いつもは孤食)

1/23
◆歩行法
 靴底をこすって歩いているような音がする。
 歩き方までジジむさくなっちゃいかんだろ。
 姿勢を良くして,足を蹴り出すように歩くべし。

1/24
◆街歩き
 自分でミニシアターを作ろうとする人々がいる。
 一方,繁華街にはけっこう空き店舗がある。
 市は,その借り手に月額10万円の補助金を出す。(1年間)
 んで,見学会が催され,ぼくも御一行に加わる。
 普段入れない店の奥まで見せてもらう。

1/25
◆ボール
 辻邦生のエッセイにドッジボールの話があった。
 小学校のとき休み時間が待ち遠しかったという。
 ぼくにとっては不愉快な話だ。
 ドッジボールは大の苦手だった。
 どんなに緩い球でも受け取れなかった。
 学年下の女子の球ですら受け損ねた。
 が,中学生になると,バスケの球が受け取れるようになった。
 その最初の瞬間,ひとり密かに感動したなあ。

1/26
◆健康診断
 九州中央病院(福岡)で人間ドックに入る。
 ここだと公立学校共済から旅費の補助が出る。
 つまり,ただで旅行が楽しめちゃう。
 宿泊先のホテル・ハイアットも ぼくには上等だ。
 ますます もうかったような気分。

1/27
◆大腰筋(だいようきん)
 保健師の長い講話にも良い話が含まれていた。
 体幹の横にある大腰筋が衰えると
 足を引きずるような歩き方になるという。
 あ,これだったんだ!
 夜,ホテルの部屋で少し筋トレに励む。

1/28
◆博多
 人間ドックは3時前に終了した。
 福岡で遊んで帰ってもいいが 気が乗らない。
 福岡県の出身ではあれ,博多なんて都会はよく知らない。
 むしろ,博多弁をいやったらしく感じる八女の田舎者。

1/29
◆カフェ&ギャラリー
 サロンのような溜まり場にしたい,と画廊のオヤジ。
 ことの成否は店主の人柄にかかっている。
 話していると俗臭ふんぷんだから,どうだろう?
 ぼく自身の否定的な部分を鏡で見せつけられてる気分。

1/30
◆ Lame duck
 3月で辞める学長が,教職員の会議の場で
 本題と関係なく,別れの言葉を述べ始めた。
 今後の学校運営に関わるメッセージで
 本人は中身の濃い言葉を語っているつもり。
 あまりにも虚しいので,聞くのも辛い。

1/31
◆引越計画
 移るのであれば公共図書館の近くがいいな。
 終日いりびたって楽しめる。
 もう学校へは授業のときしか行かない。
 幸い,存在感も希薄なので,誰からも文句は出まい。

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