2010年
 つぶやき

2/1
◆挨拶
 壇上に立った人が「こんにちは」というと
 会場の人々が大声で「こんにちは」と返す。
 ぼくはとりあえず面従型なので,外形は相和す。
 内心ではこうした呼応パターンを奇異に感ずる。
 壇上からの挨拶は聞き流すのが「正しい」んじゃないの?

2/2
◆ナンパの心
 鹿児島で「もてる」には大物ぶる必要がある。
 事大主義の土地柄だから,それがお約束。
 しかし,それはいかにもさもしい。
 さもしいけど「もてたい」――ならば,どうする?

2/3
◆旧知
 トロツキー研究・翻訳をやってる男がいる。
 彼からプルードンの翻訳の話が来た。
 打診レベルの話ではあるが,うれしかった。
 ああ,ぼくのこと覚えてくれてる人がいるんだ。

2/4
◆あと幾たびの
 夜間部のゼミを済ませ,学期が終了した。
 しみじみしようかと思ったが,学生たちはさっさと退散。
 ぼくも冬の夜空の下,ギコギコと自転車で帰宅する。

2/5
◆整形外科
 左手中指の「バネ指」の手術をする。
 医者が簡単な手術だというので軽く考えていたが
 けっこう「立派な」手術だったよ。
 そして、後で気づいたんだけど
 しばらくは洗髪も炊事・皿洗いもできない。

2/6
◆在庫一掃
 学校の倉庫にあった古い文具を処分するとのアナウンス。
 赤インクとか、糊付きのタグ(正式名称不明)とかが
 事務室の前に陳列され「持ち去り自由」とされた。
 ぼくは赤インキをもらい,このさいだからと
 街の文房具屋で太字用の万年筆を新調した。
 レポートの採点・コメント用です。

2/7
◆稲森会館
 京セラの稲森会長が母校・鹿児島大学に寄付した建物。
 そこへ映画監督・小栗康平の講演を聴きに行く。
 鹿大の一学科が4月から映像教育を始めるので
 その前宣伝を兼ねたイベントである。
 学科長の話はつまらなかったが,小栗講演は良かった。
 いや,むしろ良すぎた。
 小栗作品など観たことないような聴衆には豚に真珠?

2/8
◆毛が逆立つ
 左手は水に浸けられないので洗髪できない。
 もう頭は東中州産業大学の森田教授である。
 なんて冗談,最近じゃ通じないか。

2/9
◆売り込み
 出版社の編集者とJR国立駅前の喫茶店で話す。
 ぼくはプルードンのおもしろさを力説する。
 気づけば2時間しゃべってた。

2/10
◆民の竈(かまど)
 府中市まで映画「インヴィクタス」を観に行く。
 行きはコミュニティバスで100円,帰りは深夜バスで380円。
 バスはけっこう狭い路地を通り抜けていく。
 窓越しに民草の暮らしぶりが眺められる。

2/11
◆洗髪
 右手だけで頭を洗う。
 左手はビニール袋に入れ,ガムテープでとめてる。

2/12
◆映画館経営
 旧・鹿児島三越がマルヤガーデンズという名にかわる。
 その中にミニシアターができる流れになった。
 4月末のオープンに向け,動きがあわただしい。
 上映作品の選定と交渉,館名の決定……
 そして,そもそも誰がどう運営するか,大騒ぎだ。

2/13
◆ゲルツェン
 19世紀ロシアの思想家の生涯を描いた戯曲を読む。
 トム・ストッパード『コースト・オブ・ユートピア』
 いちおう最後まで読んだが,戯曲のおもしろさがわからん。
 3部作を通しで上演すると9時間かかるという。
 観るのも辛そうな気がするのは素人の予断か?
 2009年秋の東京公演では,阿部寛がゲルツェン役。
 セリフを覚えただけでも偉いと思う。

2/14
◆仕切り下手
 1月に89歳で死んだエリック・ロメールを追悼する。
 旧作シリーズのDVDを観る会を開いた。
 ぼくの狙いは,鑑賞後にみんなで映画を語り合うこと。
 シネマカフェのような空間を実現したかった。
 りっぱなことに,人は20人ぐらい集まったが
 ぼくの運営がつたなく,あちこちで私語が弾むばかり。

2/15
◆部屋探し
 官舎のゴミ置き場清掃の順が回ってきた。
 また来月から草むしりの集団作業も始まる。
 そろそろ本気で官舎を出るべきだな。
 ネット検索で当たりをつけて不動産屋へ行く。
 県立図書館の近くは物件が少ないが
 ぽつんと一戸,良さそうなのがあったぞ。

2/16
◆病院連チャン
 朝,整形病院で中指手術の抜糸。
 正午には肛門科病院で手術。
 これはジオンという薬を痔核に注射するだけ。
 ズボンを少し下げ,お尻を出して横になる。
 15分足らずで終了したが,1時間安静を求められる。
 つまり,昼寝をしてから帰る。

2/17
◆お荷物
 身軽に生きるため「物」など増やさないようにしている。
 とはいえ,本(まあ駄本ばかり)は増えるばかりだ。
 このさいだから,大量廃棄に挑もう。
 でも,いくつか残すべきものもあるだろうな。
 てなことで,選別にまた時間をとられそう。

2/18
◆多用
 今月と来月は何かと忙しいぞ。
 おかげで「雑念」に囚われる暇もなくなりそう。
 その日その日を精一杯生きる
 という感じ,われながら麗しい。

2/19
◆引越屋
 前回と同様,今回も「赤帽」に頼もうと思う。
 2時間作業なら8千円と料金が安くて明快だ。
 ただ運転手が作業員を兼ねる。
 だから,その人が高齢者だと,見てるのも辛い。
 斡旋センターに「若くて元気な人を」と頼んだら
 電話での答えは「ええ,なるべく」と弱々しい。

2/20
◆手土産
 引越先(古いマンション)は,家主と同じ階だ。
 一度挨拶をしなければなるまい。
 そのとき手ぶらじゃまずかろう(と思うだけ立派)。
 どうすべきか,うちの学校の事務のオバサンたちに尋ねた。
 べつに要らないんじゃない,と Natives は言う。

2/21
◆粗大ゴミ
 2年前,1台の自転車を全部解体して楽しんだ。
 その残骸はベランダに放置したままだった。
 社会科見学を兼ねて,自分で清掃工場まで捨てに行く。
 工場は思った以上に広くて清潔で立派。
 出入り口では,車ごと重量計に乗る。
 出るとき,差分 10Kg,料金ゼロ円のレシートを渡される。

2/22
◆エトランジェ
 老舗デパート前の焼き芋屋で芋を買い
 ベンチに座って、通行人を眺めながら食べる。
 さらにコンビニで肉まんと牛乳を買い
 近くの公園に移動して,屋外での夕食を楽しむ。
 よその国を旅している途中といった気分になる。

2/23
◆趣味の店
 引越先の近所に弓具店がある。
 ほお,そういう店もあるんだ。
 店内を覗くと,弓道の用具がたくさん並ぶ。
 古武道一般でなく,ピンポイントで弓矢だけの商売。
 これで商売が成り立つってのも,信じがたい。

2/24
◆什器
 家財道具は17年前の洪水で大半を失った。
 それでも鍋や食器の一部は泥の中から救い出した。
 しかし,このたびの引越を機にそれらを捨てる。
 つまり,使うこともないままに終わった。

◆ソウル旅行
 24日から28日まで鹿児島を離れます。
 その間この「つぶやき」の更新は不可能かもしれない。
 なにしろ,泊まるホテルが最低レベルだもんで。


2/25
◆美都旅館(Mido Motel)
 近年ソウル市が応援している Innostelの一つだ。
 (2泊以上だと1万ウォン分の地下鉄カードがもらえる)
 市内のホテル数を増やすためラブホテルを改装させたもの。
 その出自ゆえベッドや浴室は大きい。
 エレベータはないので4階の部屋まで歩いて登る。
 PCはフロントの横,床の上に1台置いてあるだけ。
 フロントも,その出自ゆえ,ロビーなどを持たない。

2/26
◆好みの違い
 旅に同行している学生3人と食をともにすること2回。
 ぼくの薦める料理は2回とも学生の舌に合わず。
 カルククス(豆乳+麺),ソルロンタン(牛肉スープ+飯)
 いずれも味が淡泊すぎるらしい。
 また,いずれも6千ウォン(5百円)で,学生には高いらしい。
 したがって,以後は別の道を歩む。
 おかげで気兼ねなく臓物スープ(ヘジャンクッ,6千ウォン)が食べられた。

2/27
◆一人歩き
 朝のミーティングで,またしても意見が食い違う。
 当初の予定では大型銭湯(チムジルバン)に行くはずだった。
 ソウル最大級の Dragon Spa は入浴料1万ウォン(8百円)で
 学生には値段が高すぎたみたい。
 ぼくはただ異文化体験に案内したかっただけだが
 学生にとっては嫌なオヤジがつきまとう感じか?
 うむ,自分が学生の立場なら,やはり不愉快だろう。
 で,朝から自由行動となる。
 ぼくはノミの市(風物市場),アリラン映画センターを回る。
 昼は参鶏湯を食べ,明洞の映画館に入る。
 映画「AVATAR」は3Dだから値段はほぼ倍の 13000ウォン(1100円)。

2/28
◆ゲージツ・ソウル
 朝はソウル市立美術館。
 特設展はアンディ・ウォーホールで,1万2千ウォンだからパス。
 常設展は 700ウォンは安いが,こちらは内容も貧粗。
 千鏡子という女性画家の作品のみがパラパラと。
 昼は,弘大(芸大)前の「芸術市場」へ行く。
 閑散としてるので,尋ねると冬期は休みだと。
 なるほどガイドブックにも小さな字でそう書いてあった。
 サムスン美術館 Leeum に行くが,坂の上だからしんどかった。
 入場料1万,音声ガイド2千ウォンで,これは安かったな。
 たっぷり3時間楽しめたからね。
 3時から学芸員のガイドが始まると館内放送があり
 集合場所に行けば参加者はぼく一人だった。
 英語による解説だから,まあ理解できる。
 聞いた言葉をときどき反復して,理解している合図とする。

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