| つぶやき |
| ◆手書き文字 論文を送ってもらった礼状を書く。 のたうつような,醜悪な文字が並ぶ。 あれ,脳卒中の後のぼくの父の字に似ているぞ。 父は達筆から一挙に転落したが ぼくは脳卒中になる前にゆっくり崩壊したみたい。 |
| ◆半常連 近所の乾物屋で梅雨前はよく目刺しを買った。 最近は家でご飯を炊かず,目刺しも食べない。 (なにしろクスクス5kg 袋がなかなか減らない) だから,店の前を通りにくい。 店のバーサンににっこりされると,申し訳ない気がする。 やはり匿名のまま,すかして歩きたい。 |
| ◆牛丼戦争 短期間限定ながら吉野家が270円,すき家が250円。 こういう消耗戦,企業にとっての意味はよくわからない。 ぼくはただ安さにひかれて,二つの店に入る。 つまり,連日牛丼食べてます。 あ,松屋(ここも250円)は鹿児島では見かけない。 |
| ◆汗だく 風が吹かない時間帯がある。 部屋にいても汗が噴き出す。 そういえば,昔は「あせも」とかになったなあ。 母につけてもらう天花粉の匂いを思い出す。 (てんかふんの漢字,いま初めて知りました) |
| ◆灰(cinder)が降る 街の中心部(つまりアパートの近所)が火山灰で曇る。 その中を歩かねばならないのは地獄だ。 歩きながら「サンドリヨン」というフランス語を思い出す。 フランスの田舎町の劇場で「Cendrillon」というポスターを見た。 30年も前の話だ。 知り合いになった人に「これ何ですか?」と尋ねると 「え,有名な話なのに,日本では知られてないの?」と驚かれた。 それは「灰かぶり姫」,英語でいえばシンデレラでした。 |
| ◆撤収 図書館から借りながら読めなかった本がある。 海外ミステリーで,評判のよかったやつ。 おー,見つけた、見つけた,と喜んで借りた。 でも,この二週間,ぜんぜん読む暇がない。 新刊本だから,つぎの読み手に回すため返却。 |
| ◆フローリング 家の床が火山灰でザラザラだ。 畳の部屋じゃよくわからないが 木の床だと目で見てもすぐわかる。 鹿児島以外では味わえない生活を楽しむしかない。 鹿児島の鹿児島らしさを毎日満喫しとります。 |
| ◆夏草や 思えばいま一番の幸せは草むしりがないこと。 とくに,一軒家に住んでたころは庭の雑草の元気よさに泣いた。 庭もムダに広かった。 草取りしないでいると,近所から苦情が来た。 除草剤をまき散らしてやろうかと思ったよ。 |
| ◆夏野菜 上京して,スーパーなどで野菜の値段をみると どれも鹿児島よりも安いぞ。 鹿児島は農業県のくせに,メリットがないじゃん。 |
| ◆老い先のシミュレーション 家の中でじっとしている。 読む本があるから退屈なわけではない。 ただ,人の役に立つことはしてないので そこらへんでちょっと罪悪感を感じる。 つまり,まだ修行が足りない。 |
| ◆森 家の近所,都立府中病院の裏を散歩する。 木々が茂って,日中でも薄暗い。 鹿児島にはこういう散策路がないなあ。 と思いつつ歩きながら,蚊には刺される。 |
| ◆南京 日本軍による大虐殺を否定するわけではないが 万を超える死体の処理は大変だろうなと思う。 映画「ジョン・ラーベ」や「南京!南京!」を観ると 機銃掃射で中国人が山ほど殺される。 (日本未公開の映画でもネット経由で観られます) 一方,最近の中国の大地震のニュースを見ると 死者ん千人のレベルで大騒ぎだ。 |
| ◆ The Best and the Brightest 最小のコストで最大の成果(ベネフィット)を得たい。 最適解を求める「計算」が上手にできるのが能吏だ。 しかし,連中が国を誤らせたりする。 日本の場合は,能吏というより小役人タイプが偉くなっていく。 鹿児島の場合は,さらにその下の「兵隊教育」が盛んだ。 開き直っているから,むしろすがすがしいぞ。 |
| ◆廃棄 昔買ったパソコンなどを捨てる。 愛着のある品々だが,捨てるとなったら捨てる。 なにしろ,こちらは大洪水の体験者である。 思い出の品は消えても生きていける。 思い出のよすがが消えれば思い出さぬまでである。 |
| ◆お食事処 鹿児島に遊びに行く人から尋ねられた。 市内の中心部で,おいしい店はどこ? はて,観光客におすすめしたい店があるだろうか。 豚しゃぶ「一二の三」は有楽町店に行ったことがあるという。 ああ,もうそれなら,行くべき店はありません。 |
| ◆不慣れ ひどくはないが終日,軽い頭痛がする。 たまたまエアコンのある部屋で寝て タイマーのセッティングをまちがえた。 つまり,一晩中エアコンが動いていた。 体がそれについていけなかったようだ。 |
| ◆Tシャツ インドネシアに行くたびに買ってきた。 つまり,安物ばかり着ている。 汗を吸わないやつは不快だ。 汗を吸うやつは染みがすぐできる。 着ていて気持ちがいいものは一つもない。 |
| ◆愛称 路地裏を走るバスに乗って府中に行く。 「ちゅうバス」と呼ばれる。(一乗り百円) 国立市にも国分寺市にもコミュニティバスがある。 それぞれ「くにっこバス」「ぶんバス」と呼ばれる。 鹿児島市はそのまま「コミュニティバス」と名づけている。 |
| ◆実(じつ)のない会話 9月にインドネシアに行く話をしたら お土産をよろしく〜,なんて言われた。 場末のスナックのママさんとかが言いそうなセリフ。 ふだん,そういう人とのおつきあいがないので 一瞬,どう反応したらいいのか,迷っちゃいました。 |
| ◆マクドナルド 一人で外国旅行をするときはよく行った。 そういえば久しく食べてないなあ。 近所の店に長蛇の列ができていた。 期間限定でビッグマックが200円。 列があればとりあえず並ぶ,という旧ソ連スタイルでぼくも並ぶ。 |
| ◆漂泊 じつはそんなに一人旅は好きじゃない。 その証拠に,きちんとした思い出が残っていない。 路地裏が好きなので,わざと迷ったりしたが 思い出づくりとしてはそれは失敗だったね。 どこがどこだったか,イメージが混乱する。 外国なのか国内なのかすら怪しい。 |
| ◆施錠 駅前に駐めておいた自転車のカギをなくす。 家まで1.5キロ,かついで歩いて汗だくになる。 オンボロの自転車だからカギなどかける必要もなかったな。 |
| ◆忘却 20年ほど前,スペインから家族あてに出した絵ハガキが見つかる。 すごい田舎町に,一週間ほど滞在したときのものだ。 町役場の写真がついているが,そうだっけ?という感じ。 思い出のよすががあっても,ぼくの記憶力はこの調子である。 |
| ◆翻訳 暑さのせいで能率が上がらぬ。 しかし,さっさと終わらせないといけない。 ちゃんと出版されるまでは油断ができない。 過去に,二冊ほど分厚いのにアタックして いずれも陽の目を見なかった。 あのときは共訳者のせいでポシャった。 今回はひとりでやってるが,本屋の事情はよくわからぬ。 編集者が「その気」のうちに渡したい。 |
| ◆味比べ そこらへんのスーパーで買った豆腐だが 鹿児島で買う同レベルの豆腐よりおいしく感じる。 そういえば、インスタントコーヒーだって違うぞ。 同じネスカフェ香味焙煎でも味が違う。 ただし,何がどう違うか表現できない自分のバカっぽさ。 |
| ◆電池切れ 腕時計が動かなくなった。 ぼくのは高級品じゃないから,突然止まった。 高級品なら秒針の動きで慈善に察知できるらしい。 夜だけど、どこかの店が開いてるかもしれないと チャリンコで駅前などをうろついたが,むなしかった。 時計をはずせば腕がさびしいし つけてると,動かぬ時計をつい眺めちゃう。 |
| ◆蕎麦 うどん屋の息子なので,うどんは大好きだ。 けど,年をとってからは蕎麦も好きになった。 学生時代は,ゲッてな感じでしたがね。 国立市では,なんといっても更科甚五郎。 冷やし谷保天(略して「冷やヤボ」)は絶品だと思う。 食べてる途中も、食べた後も,幸福感がわいてくる。 |
| ◆車イス フランスのルルド(Lourdes)は霊験あらたかな泉で有名だ。 病気の人,身体が不自由な人が多く集まる。 映画「ルルド」(2009年)もそういう人の話。 背景に出てくる電動の車イスに感心した。 やたらパワフルでスピードも速そう。 ぼくも父が晩年は車イスだったので,他人事ではない。 ぼくが乗るとしたら,ああいうのに乗りたい。 建物内でも公道でも,あれで暴走したい。 |
| ◆ブリコラージュ Bricolage 車庫のシャッターの動きが悪い。 修理は業者に頼めばいいと思うが それまで車が使えないのも困る。 ってんで,シコシコ修理に取り組む。 あちこち解体し,板きれを拾ってきて バカになったネジ穴を補強して,修理完了。 もう業者を呼ぶ必要はないと胸を張るが 家人は「あら、終わったの?」で終わり。 |
| ◆デジタル放送 たくさんのチャンネルがある。 ってことは,作品ごとの予算が下がるってことらしい。 じっさい安そうな番組が多い。 でも,海外の列車とか街なみ紹介とかはいいな。 レポーターとか出ないやつ。 お昼,ひとりでパンを食べながら,ぼーっと眺める。 |
| ◆微風 一般的に高齢者はエアコンが嫌いだそうだ。 本当かどうかしらんが,熱中症のニュースでそう言ってた。 ぼくの場合は半分当たり。 涼しい風でなくても,窓のカーテンを揺らす風がよい。 |