2022年
 つぶやき

2/1
◆ 『エリック・ホッファー自伝』
 学校教育をいっさい受けずに哲学者となった季節労働者の自伝。
 ホッファーは、81歳で死ぬまで知的活動を続けた。
 いやあ、とてもりっぱすぎて、とてもぼくのロールモデルにはならん。

2/2
◆ 肉体労働者
 自転車で隣町の「もつ煮込み定食」の店に行く。
 ここは評判の店なので、すでに6人が行列。
 600円で丼飯のおかわりありだから、ガテン系の人が多いなあ。

2/3
◆ 交流
 沖永良部島(鹿児島県)の友人から電話をもらった。
 ぼくと同年の老人だが、ずいぶん楽しく暮らしているみたい。
 同じ島のひとはもちろん、島外の人とは Skype などで会話をしている。
 なるほど、とは思うが、ぼくには会話を弾ませる技も話題もないからなあ。

2/4
◆ 縁台
 ぼくも昔、沖永良部島に遊びに行ったことがある。
 大通りの道の脇に、おばあさんたちが並んで座っている。
 目の前を通りすぎる自転車の高校生とかを見て
 あれはどこそこの息子だ、とかウワサしあう。
 ああやって終日ゆったりとすごす老後も悪くないな。

2/5
◆ ハガキ
 賀状のかわりに立春の挨拶状をつくった。
 万年筆で宛名を書く。
 あまりにも字がヨレヨレなので、ひそかに落ちこむ。

2/6
◆ 楽隠居
 客観的には、ぼくの生活はほぼ平穏。
 文化面でも、ぼくは何も発信せず、消費ひとすじで
 おもしろい本を読んだりしてれば、楽しく日が過ごせる。
 だから、いつでも死ねる、ってか?

2/7
◆ 日本語
 18世紀の古典の翻訳をしている。
 とてもおもしろい本なので、そのおもしろさを伝えたい。
 読みやすく、正確で、しかも弾むような文章にしたい。
 しかし、ぼくの頭はこのごろ硬直し、ことばが紡ぎ出せない。

2/8
◆ 減量
 わけあって数日、食事を減らしたら、体重も減った。
 いっきに2キロほど痩せてしまった。
 といっても在職中の体重よりまだ重い。

2/9
◆ 『隠居学』
 社会学者・加藤秀俊の随筆(2005年)だが、達者なもんだ。
 うんちくを嫌味なく語れるのは芸だね。
 ぼくがこの界隈で出会うインテリおじさんにはそれがない。

2/10
◆ あぶね〜
 風呂の中で目をつぶると眠っちゃいそうになる。
 二年前、沖縄のホテルの大浴場でそのまま沈んだからね。
 ほかの客が見つけてくれたからよかったが
 家の風呂だと見つけてもらえない。

2/11
◆ ひよる
 50年以上前、建国記念日の実施に反対する集会が開かれた。
 ぼくも参加する気だったけど、朝、起きたら大雪。
 ぼくは「日和って」またベッドにもぐった。

2/12
◆ 「ウェストサイド・ストーリー」(2021)
 1961年の「ウェストサイド物語」を再び映画化したもの。
 公開初日に観に行ったが、予想外に客は少ない。
 たしかに主演者たちは前作のような美男美女でなく
 かなり地味なので、お祭り感には乏しい。

2/13
◆ 「名付けようのない踊り」(2021)
 前衛舞踏家・田中泯を追ったドキュメント映画を見た。
 ああいう舞踏の鑑賞のしかたを勉強しようと
 何年も前から思いながら、ぼくはいまだに無知・無教養。
 虚心に接すればいいんだろうが、やっぱりね。

2/14
◆ 床屋
 自転車で駅近くの千円床屋へ(じっさいは1100円)。
 やたらスピーディーに終わったのは、仕上げが適当だから。
 エリや背中がチクチクする。(ぼくは文句も言わず退散)

2/15
◆ 回転焼き
 NHKの朝ドラで、深津絵里が焼いているお菓子。
 ぼくが高校生のころ、ぼくの母もこれで商いをしていた。
 ぼくはほとんど家の手伝いをせず、裏でぼーっとしていた。
 客は女子高校生とかが多いので、むしろ顔を出すなと言われた。

2/16
◆ 確定申告
 Web上で数値などをすいすいと入力。
 なにしろ収入はほぼ年金のみだから、簡単至極。
 あとはプリントして市役所に持って行くだけ。(E-Taxじゃないのがミソ)

2/17
◆ 体力維持
 体を動かせるときに動かさねば、と散歩に出る。
 まともに歩けなかった一年前に比べれば、だいぶいい。
 一歩一歩、足を前に出すたびに、シミジミしちゃうのよね。

2/18
◆ 渋滞
 図書館でおもしろそうな本はなかなか借りられない。
 予約すると30番目だったりする。
 で、忘れたころに「準備できました」の知らせ。
 しかも、それがどどっと重なったりする。

2/19
◆「無言歌」
 60年、中国の再教育収容所に送られた人々を描く映画。(2010年、王兵監督)
 ネット配信で見たが、たしかに傑作だった。
 50年代末「百家争鳴」のかけ声に乗って、自由に発言したら収容所。
 ぼくも中に入ったら生き延びれないね。

2/20
◆ 節制
 ぼくはムダに大食いだったのを改めているところ。
 ほんとうなら、おいしいものを少しずつ、とならねばならない。
 ところが、教養がないし、ケチだったもんで、美食がわからない。
 ただ、何食ってもおいしいのは、長所かもしれんぞ。

2/21
◆ 誘惑に負ける
 朝、ヨーグルトとバナナ1本。
 昼、冷凍うどん+油揚げ1枚。
 2時半、ワクチン(3回目)注射のついでに
 近くのパン屋で「焼きそばパン」を買って食う、

2/22
◆ 奥多摩霊園
 東京都の西端の山のなかに、母の墓がある。
 電車で1時間半はかかる。
 墓は母が自分で買い、勝手にひとりで入っている。
 ぼくは維持費は頼まれたが、墓参は頼まれていない。

2/23
◆『ザリガニの鳴くところ』
 図書館で予約して半年、ようやく読めた。
 つぎの人が待ってる翻訳小説なので、急いで読んだ。
 昨年の本屋大賞・第一位で、なるほどとは思うが
 なんだか甘ったるく、ぼく的には中の上。

2/24
◆ 愛撫
 前に胃カメラを飲んだとき、看護師がずっと背中をなでてくれた。
 そうしたやさしさに、長年ふれたことがなく
 ぼくはずっと感動しつづけ、泣きそうになったな〜。

2/25
◆ 旅人
 在職中は、用事でけっこうあちこちをウロウロした。
 しかし、ぼくは旅の楽しみ方を知らない。
 有名なところを訪れて「チェック」したら一丁上がり。
 だから、退職後ヒマになっても、とくに旅行したい気にもならず。

2/26
◆ 体重
 食を細くしてるんで、このごろ2キロ以上痩せて 69キロだ。
 だが、1年まえの「つぶやき」を読むと
 「おお、1キロ以上太って,69キロ台」

2/27
◆ 粗忽者
 大学通りを歩いていたら、一橋大学で入試をやってた。
 ああ、ぼくも昔、受験したが、そのとき会場をまちがえた。
 小平市にある分校へ行ったら、そこは法学部の会場。
 社会学部は国立市の本校だったんで、あわててタクシーに乗った。
 運転手さん曰く「いま同じような人をあっちからこっちへ乗せてきたんですよ」

2/28
◆ 業スー
 業務用スーパーに自転車で行く。
 作業服の店ワークマンもそうだが、貧乏人向けの店は大繁盛。
 というか、ぼくは高額商品の店に行ったことがないので
 これは、そちらと比較したうえでの印象ではない。

Back to Home