つぶやき |
◆ 記憶力 こんなぼくにも「近々会いましょう」と言ってくれる女友だちがいる。 ところが、彼女の顔が思い出せない。 会えば絶対にわかる自信はあるのだが 頭の中で思い描こうとするとその顔かたちはぼんやりしたまま。 |
◆ 孤独なリハビリ 病院で指導された体の動かし方をマネしてみる。 たとえば「カーフレイズ」Calf Raise =かかと立ちのくりかえし。 これはひたすら地味なので、人が見てないとすぐにあきちゃう。 |
◆ 浅き夢見し 明け方、夢の中のぼくはどこかの映画館に向かってスタスタ歩く。 地面をしっかり踏みしめているのを足の裏で感じながら。 |
◆ 若松英輔 かれの自伝のような随筆『藍色の福音』を読んだ。 ほんとうは、ゆっくりじっくり読むべき本だとは思うが やっぱり、すぐに読んじゃった。 |
◆ 植村邦彦 知り合いと名乗るのも恥ずかしいが、かれはほんとうによくできる。 2011年に出た平凡社新書『市民社会とは何か』は、中国でも翻訳されて評判を呼んだ。 かれから近著「敗北後の思想」(2024年8月)をいただいた。 その本の腰巻の文句が泣かせる。 「なぜ私たちは自らを苦しめる権力を支持するのか?」 |
◆ 体調いいのか?悪いのか? 朝(8時)まで一度も目を覚まさず。 それはここ数年なかったことだ。 しかし、夕方、散歩を試みると、足は昨日より重く 体はますます不自由になる。 |
◆ ハワイ土産 学生の夏季研修の引率で、20年前に10日間ほど滞在した。 The City という市営バスでぼくは一人でうろつくつもりだったが おりあしく何十年ぶりかのストライキと重なり、動けず。 しかたないので、ブコウスキーの本とニール・サイモンの戯曲集をまとめ買いした。 |
◆ あずきバー 井村屋のアイスキャンディー。 ぜんざいもそうだが、これもときどき無性に食べたくなる。 テレビでその名を見て、いそいそとコンビニまで買いに行きました。 |
◆ 軽視 この家で働いていない(ように見える)のはぼくだけだから 当然のようにおろそかに扱われている。 |
◆ 筋力 週1で在宅リハビリを受けられるようになった。 痩せた小柄なおばさんが自転車で来てくれる。 体をあちこち揉んでくれるのもうれしい。 |
◆ インドネシア映画 最新作をNetFlix で観たが、映画づくりはどの国でもレベルが上がってる。 2024年の作品「やがて霞たちこめて」は女刑事を主人公とするミステリー。 ちょっとびっくりさせられた。 |
◆ サポートなし 家には人がいなくなるので、あらかじめ釘を刺された。 「体がおかしくなったら、自分で救急車を呼んでね」 |
◆ 映画三昧 動画配信サービス U-next を利用して、映画を見まくっている。 日中は外出を控えよ、と警報が出ているので 最近では、家でぐーたら過ごすのが正解ということになっている。 |
◆ リズム感 通所リハビリも週一利用している。 これは16名ぐらいの集団で号令にあわせて体を動かすもの。 たとえば、椅子に座って両手を振りながら、片足ずつ持ち上げる。 ぼくはこれが苦手で、右左の順番をいつもまちがえる。 |
◆ かすかな記憶 学生時代、院生時代にそれぞれゼミ合宿ってのをやった。 どこでやったのか、とか全然記憶にないが、二つのことだけ覚えてる。 学生のときは、先生が余興で「青い山脈」を歌った。 院生のときは、報告者が緊張しすぎて途中で倒れた。 |
◆ よれよれ 達筆だった父も晩年の字はひどいもんだった。 ましてや、もともとひどいぼくの字はもう見るも無惨。 |
◆ ドバドバ 台風が接近してるので激しく雨が降る。 ひさびさに元気な雨が降るので、うれしくなっちゃう。 どのみち出歩くところもないし、ね。 |
◆ 豆スープ 業務用スーパーで買った豆の缶詰とトマト缶を混ぜただけ。 味付けはマギーブイヨン、一粒のみ。 チャチャっとできて、バゲットをかじりながら食う。 |
◆ 病気映画 評判の良い「夜明けのすべて」(2024)を、Net Flix で観た。 パニック障害の青年とPMS(月経前症候群)の女性が主人公。 パニック障害はぼくも経験したので、しみじみしちゃいました。 |
◆ ちゃりに乗る 漕ぎ出しちゃえば倒れずに進む。 車はもちろん歩行者もほとんど通らぬ道が近くにある。 はい、大病院の裏にそういう道があるんです。 |
◆ 歩行困難 通所リハビリも在宅リハビリも週に1回ずつ受けてる。 家の中でも一人で運動をするようにしている。 なのに、体はますます不自由になっている。 数百メートル先のコンビニまで、杖をついてハガキを買いに行った。 往復1時間半、汗だくだぜ。 |
◆「一億特攻への道」 NHKドキュメントはすごい番組だった。 ぼくの故郷、八女郡のすべての国民学校の教師たちがそろって特攻を促す。 それは、まあ、言われるまでもなくそのとおりなんだろうが 最近公開された資料の束が、その迫力のほどを生々しく示す。 |
◆ 座り方が悪い 足を投げ出し、ふんぞり返って椅子に座る。 長年の悪い癖で、一日の大半をそうやって過ごしている。 そのせいで腹筋が弱っており、体をまっすぐ立てることもできない。 |
◆ 虫が怖い ぼくは田舎出身のくせに虫が苦手だ。 セミなど、みんなが平気で手でつまむのに、ぼくはそれができなかった。 |
◆ コミュ障 2023年の日本映画「658km、陽子の旅」を観た。(Prime Video) 東京で一人暮らしをする中年女が青森までヒッチハイクをする。 ひとと交流できない女の「嫌な感じ」を、菊地凛子がみごとに演じて感動させられた。 つまり、見ていてずっと嫌な感じだったのがすごかった。 |
◆ 礼状 知人から著書をいただいたのに、返事も出さずにいる。(3件) 直後に入院したとか、手元にハガキがないとか、ちゃんとした字が書けないとか 自分なりに理由はあるが、そんな言い訳を書くもの恥ずかしい。 |
◆ 昭和天皇 録画しておいたNHKドキュメント「秘められた終戦工作」を見た。 今年のNHKの終戦特集はどれもすごくよかった。 言うべきことは言っておくぞ、の意気込み。 天皇の戦争責任を明言する歴史学者も紹介される。(吉田裕さんは院生時代の顔見知りだぜ) |
◆ お暑うございます 通所リハビリには施設からのお迎えの車に乗っていく。 「おはようございます」だけでなく気候の挨拶もする。 ぼくもそういう挨拶が世間並みにできるようになったんです。 |
◆ 面目ない 夢の中で、外国人からバイクの故障をどうにかしてほしいと頼まれる。 ぼくもどうしていいかわからない。 英語はもちろん日本語でも専門的な説明ができない。 どうやってその場を立ち去ろうか、と悩みながら目を覚ます。 |
◆ 難易度が高い技 階段をトントントンとすばやく駆け降りる。 ああ、昔はぼくでもできたことなのに いまはただうらやましい。 |
◆ ブックレビュー 新聞や雑誌の書評欄は好んで読む。 かつては市の図書館にいけば雑誌コーナーに居座った。 隣の図書館分室では、予算が削減されたせいで、その楽しみがない。 |